トランス

今日はサードステージのトランスを見てきました
今回のトランスは若手組と中堅組の2version、セットとかも違うらしい
今回見たのはyouth version、若手組ですな


おいら的あらすじはこんな感じ


高校の仲間、男の雅人、女の礼子、もう一人の男の参三
雅人は名も出ないような記事ばかり書いている売れないライター
礼子は精神科医
参三はオカマになりオカマバーでシュワ子として働いている
雅人は離人症などの症状で礼子の病院を訪ねる、後日病院に来る約束をする
約束の日、雅人はオカマバーに飲みに行きボッタクリに遭う
その時に取り上げられた財布を取り返して来た参三と自分の部屋に
二人で話をしているところに、病院に来なかったと礼子が訪ねてくる
こうして3人は再会する


その後雅人に別人格が現れることが明らかになり入院することになる
雅人の別人格は、自分は南朝の直系の血統を持っている
現在の天皇は血統上正しくない北朝天皇だという
自分こそが正式な天皇であり、現在の天皇は正式ではない
それを訴えるため、しきりに皇居に行きたがる


二人はそんな雅人いろいろお世話をしていくが一向によくならない
そんな中参三は、雅人と高校時代に付き合っていた礼子に対し
自分に隠れてあっていたのではないかと疑い嫉妬しだす
もともと参三は雅人のことが好きだったのだ
嫉妬した参三は、礼子から雅人を引き離すため退院させろと言い出し
三人は混乱状態になっていく


実は...三人の立場はまったく違っていて
精神科医は礼子ではなく、精神科医を演じていた患者、参三も患者
精神科医は雅人であった


そう思われていたが、そういうわけでもなく
実際には医者は参三で、雅人と礼子は患者で...


そう思われていたが、そういうわけでもなく
実際には医者は礼子で、患者は雅人で、看病する参三で...


なんて感じ?


うん、やっぱりトランスは好き
3人で、ベッドと椅子が2つくらいあれば成立する話
とてもシンプル、しかしながらとても深い
シンプルな方向での鴻上作品の代表作なんだろうと思う
だからこそ、長い間いろいろな劇団で何度も演じられるのだと思う


現実としてありえるような姿を見せ、考えさせ
最後に答えを見せるのではなく、見るほうに見つけさせる
鴻上さんの作品のイメージであるのだけど
この作品はそんな代表作であるように思える


結局3人は誰が医者だったんだと疑問に思い帰る人も多いだろう
僕は、誰が医者かなんてどうでもいい
誰もがどこかしら病んでいて、どこか思い悩んで
どこかで誰かを助けて、誰もが誰かを傷つけて
そういうもんだって感じて帰りには思っているんだけど
みんなどう思って帰るんだろう


僕が最初にトランスを見たのが1996年の1月28日
熱帯艶色倶楽部という劇団の旗揚げ公演だったのだけど
その時もかなり面白かったし、話に圧倒されたのだけど
今回はもっと奥深く感じた、すごかった
また、他のメンバー、他の演出で見てみたい
ほんと好きな本のひとつです